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九州博多発 ファイナンシャルプランナーのブログ


by fp-haseo

渡部昇一「健やかにぼけないで、九十五歳まで生きよう。」

そこで、思うのである。九十五歳まで生きる。ここに人生の目標を置いてはどうだろう。もっとも加齢による衰えは仕方がないにしても難儀な病気を患ったり、ぼけてしまっては九十五歳まで生きてもどうしようもない。そこで、健やかにぼけないで、という条件を付ける。

健やかにぼけないで、九十五歳まで生きよう。人生の目標をこのように設定するのである。

高齢化の加速に加えて団塊の世代が定年の時期を迎えたこともあるのだろう。定年後をどう過ごすか、六十歳からをどう生きるか、といったことをテーマにした本が盛んに出版されている。そして、そばの打ち方とか、海外旅行の楽しみ方とか、楽しい温泉めぐりのコツとかが紹介されている。

しかし、これらの本を読んで思うのは、それらを趣味として楽しんでいくのは決して悪くはないし、結構なことなのだが、それらが展望を開いていく生き方の軸にはならず、率直に言えば、たいてい時間塞ぎの楽しみの域を出ないものになっている、ということである。そうなるのは、定年から、六十歳から、というように出発地点から見るだけで、終着点を示していないからである。六十歳からといっても、終着点は明日やってくるかもしれないのだ。この不確かさが、六十歳からの生き方を単なる時間塞ぎの楽しみの域に止めてしまうのだ。

だが、健やかにぼけないで九十五歳まで生きることを人生の目標とし、そう覚悟を決めたらどうだろう。六十歳で定年を迎えたとして、それからでも九十五歳までは三十五年間あるのである。この三十五年間をそば打ちや温泉巡りで潰すのはどうか、ということになる。そば打ちや温泉巡りが悪いというのではない、ただ、九十五歳まで生きると覚悟を決めたら、そば打ちをやるにしても、単なる時間塞ぎの楽しみではなく、考え方が変わり、自分の生き方と結びついたものになるだろう、ということである。

それにこれには、健やかにぼけないで、という条件が付いている。この点いついては、統計をとったわけではないので科学的でないと言われればそれまでだが、私の知る範囲を眺めて、確信していることがある。それは、加齢による衰えはあるにしても、いつまでも健やかで頭の働きもしっかりしている人は、頭脳を使って生活している人だということである。

 頭脳を使うというのは精神活動が活発だということである。精神活動を活発にすると、その刺激で脳から微量ではあるが多様なホルモン類が分泌され、それが脳の生き生きとした働きを促すばかりか、身体にもいい効用があるのだ、と聞いたことがある。

 しかし、六十歳の定年を迎えて、それから頭脳を使い、精神活動を活発にしようとしても、無理な話である。それまでに下地ができていなくてはならない。ということは、九十五歳まで生きるという人生目標は、六十歳までの生き方も変えるということである。(2007.01)


by fp-haseo | 2018-06-14 07:09 | FP長谷尾の「楽しい人生」